共育推進委員会 〜こどもへの一番の贈り物〜

最善の子育てを目指すワーキングパパ&ママの妊娠・出産から育児・教育まで

【優しさの押し売り】新種のマタハラ問題!?

こんばんは。タラッサです。

現在放映中のドラマ「Missデビル」第6話を見て痛く共感してしまいましたので感想をば。

篠田麻里子ちゃん演じる働く妊婦さんが、部署をあげての、というより部長の独りよがりかつ過剰なワーママ・サポート運動に、周りの女性社員との関係がギスギスするという設定です。いつも通り菜々緒さんが成敗してくれる爽快なストーリー。

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その、体調崩しがちな妊婦さんのカバーを別の社員がしなきゃいけなくてブッチャケ迷惑なんだとか、なんで妊婦・子持ちばかり優しくされるんだとか、こっちは産みたくても・・・だとか、女性間のアルアルなモヤモヤした気持ちは現実社会でも語り尽くされているので置いといて、

今回私が共感したのは、上司の「サポートしてあげるんだから必ず(早く)戻ってこい」が実はありがた迷惑だった、の方です。

 

私もいずれ復帰させてもらう立場からこんなことを言うのは極めて不謹慎なのですけれど、昨今の日本の女性活用(特に企業戦士系ウーマンに対する)のヤリ方が、どうなのかなぁ、と思うところがあるのです。

 

どうしても、「女性の活躍」と言うと、男性のガンバリをベンチマークに、女性でも男性と肩を並べて同等のキャリアを積むことをよしとして語られる風潮にあると思います。そのために会社は子供を産む女性がキャリアを継続できるように、スムーズに復職できるようにサポートするんだと。

それ自体悪くはありません。むしろ、サポートに感謝感激です。

事実、多くの先進国や大企業が女性の重役ポストの比率を上げることを目標に掲げてキャリア支援を行っています。

 

ただ、問題は、まったくもって根本的なのですが、子育てって、制度で解決できるほど単純なものではないってことなんです。

特に、乳幼児や幼い子供にとって、母親との関わりが如何に重要であるかはあらゆる研究がなされている訳であって、どんなに制度が整ったところで、母子関係だけは取って代わることができないのです。

ちょっと怖いことを言うと、保育園のストレスで突然死する確率が上がるだとか、母子分離は脳の発達に影響があるかもだとか、早期復職のネガティブな影響に真っ青です。もちろん全ての子供に影響が出る訳ではありませんが。

なので、私が問題視するのは、早期復職がキャリア継続のために必須だとか平気で言っちゃう日本の大企業たちなのです。

 

以下、残念な事実を掲載してくれた日経の記事抜粋 ↓↓

style.nikkei.com

女性総合職を対象とする研修では、長期の育児休業がキャリア形成を阻害するリスクを説明 (某キ◯ン)

休みを応援するのではなく、働くを支援する(某航空会社)

総合職については0歳4月時点の復帰を推奨(某銀行)

 

え。マタハラですか・・・(怖)

 

記事にある企業の打ち出した対策は素晴らしいと思います。

ただ、サポートするからとりあえずはよ戻ってこいの圧力、半端ないっす。(怖)

私がそこの社員だったら、長々と育休を取る勇気は持てないでしょう。

だって「やる気」を見せなきゃいけないって書いてあるし。おっす!

 

実際、私も職場でサポート体制ばっちこいの上司に恵まれました。

当初、無知な私は、なんてありがたいことなんだと思いました。

きっと、生まれたばかりのふにゃふにゃな赤ちゃんを施設に預けてもバリバリ会社で働くことが求められているし、それができてしまうし、それが成功だと。

それこそが今の時代にあったワーママモデルなのだと、今思えば暗示にかかったように信じていました。

ところが、子供について学ベば学ぶほど、その働き方のモデルに大きな疑問符が・・・

 

どうして早期復職しなければキャリアは保証されないと若干脅しまがいなことを言われる筋合いがあるのか。

人材不足に悩む会社はそれで助かるかもしれないが、我が子の心の発達に重要な母親との時間はどうなるのか。

 

まだママのおっぱいがないと生きていけない赤ちゃんを預けて復職しないと今後のキャリアは見込めないだなんて

本人の実力を無視した、体育会系まっしぐらな、ちょー日本的発想でくだらなく思えてきました。

 

私の少ない情報網ですが、ヨーロッパの企業キャリア系女性で、育休を数年間にわたってがっつりとった例をよく聞きました。

彼女たちが復職後、長期に渡る休業のせいで使い物にならなかったようには思いません。むしろ浦島太郎期を早々に切り上げてまた活躍しています。

 

一方、アメリカとかアジア圏では産後数カ月で復職がスタンダードのようです。

母の腰も赤子の首もグラグラの状態で復職する彼女たち。

それが普通なので疑問に思わないようですが、祖母が子育てをするのが当たり前だったり、ベビーシッターや住み込みのお手伝いさんがいるなど、事情は日本やヨーロッパと異なるようですね。

 

 

子育てだって、輝かしいキャリアや、本人の自己実現による満足度向上や、家庭のお財布事情改善や、日本への経済効果や、なんやかんやと同じかそれ以上に重要なことです。

日本の政策も長い目で考えれば、幼少期の子育てをより重視すべきで(長くなりすぎるので議論は省きますが)、女性をこき使って目の前の小銭稼ぎをしている場合ではないように思うのです。

 

と、長々と書きましたが、女性のライフスタイルの選択肢は幅広く、上記もほんの一部の例。

 

専業主婦の道を選んでも、ワーキングマザーになっても、男性陣を蹴散らす勢いで仕事に打ち込んでも、全ての選択が尊重されるべきで、経済的に生産性があろうがなかろうが、それぞれが「活躍」だと思うのです。 

 

その活躍の形、人生の形を、国や会社に決めつけられたくない。

 

そんな風に思った、Miss デビル第6話なのでした。